鄭襲明 贈妓(遊女に送る) ●○○●●○◎ 百花叢裏淡丰容 百花叢るる裏淡き丰容 ●●○○●●◎ 忽被狂風减却紅 忽ち狂風を被り紅を減却す ●●●○○●● 獺髓未能醫玉頰 獺髓未だ玉頰を医す能はず ●○○●●○◎ 五陵公子恨無窮 五陵の公子 恨み窮りなし 【句形】 七言絶句、平起こり、上平1東(容、紅、窮) 【語釈】 鄭襲明(1096-1151)…高麗の文臣。本貫は迎日。号は滎陽。妙清の反乱を鎮圧した。大禹謨の注解を行った。 丰容…美しく、あでやかな様子。 獺髓…かわうその骨髄。薬用として用いられた。 五陵公子…長安にある、前漢の五帝の墳墓にたむろしていた男たち。転じて、任侠の徒。 【大意】 ありとある花々の中に一際目立つ美しい豊かなかんばせ。たちまち強風が起こり、その美貌は損なわれてしまった。どんな薬でも元の姿に癒すことはできず、色好みの男たちの悲しみは尽きない。 |