途中

金時習 途中

●●○○●
貊國初飛雪 貊國初めて雪飛び
○○●●◎
春城木葉疏 春城 木葉まばらなり
○○○●●
秋深村有酒 秋深くして村酒あり
○●●○◎
客久食無魚 客久しく食ふに魚なく
○●○○●
山遠天垂野 山遠く天は野に垂れ
○○●●◎
江遙地接虛 江遙かに地虚に接す
○○●●●
孤鴻落日外 孤鴻 落日の外
○●●○◎
征馬政躊躇 征馬くに躊躇す

【句形】
五言律詩、平起こり、上平6魚(疏、魚、虚、躇)

【語釈】
貊…中国東北部に居住した異民族。濊貊とも。ここでは転じて朝鮮を指す。
春城…地名。
【大意】
半島ではようやく雪の散る時期になり、春城では木の葉が少なくなってきた。
秋が深くなるころには村に酒が整えられる。
旅人は長く魚を食べたことがなく、山も空も遥かにそびえ立つところ、
果て無く続く川、地平に消える大地。
大鳥一匹が沈む日の外へと去り、行く馬は道に悩んでいる。


戻る